12日午前11時15分ごろ、福井県鯖江市下河端町の住宅兼作業所から「火が燃え広がった」と119番通報があった。鯖江・丹生消防組合によると、木造一部2階建ての建物が全焼し、約2時間半後に鎮火した。鯖江署によると、80代の男性1人がやけどをして病院に搬送された。意識はあるという。
現場はJR北陸線の北鯖江駅のすぐ北隣。JRの送電線の一部が熱で溶けたとみられるという。
火災の影響で、JR西日本は敦賀―福井間の上下線で運転を見合わせ、午後4時35分現在、上下線で大阪―金沢・七尾間の「サンダーバード」と名古屋・米原―金沢間の「しらさぎ」の特急計36本をほぼ全区間で休止、普通列車計22本も休止。約1万600人に影響が出た。午後5時半に運転を再開した。
現場周辺には焼け焦げた臭いと白い煙が立ち込めた。警察が周囲に規制線を張り、消防隊がホースをのばして消火活動にあたっていた。
近くに住む会社員の男性(25)は外出中に煙が上がっているのを見つけ、午前11時20分ごろに現場を訪れたという。「建物北側から炎が上がり、パチパチという破裂音のような音や、ガラスの割れるような音がしていた。においはしなかった」
男性は十数年前の学生時代に通学で北鯖江駅を使っていたという。平日は通勤・通学で多くの乗客が使うが、週末や祝日の利用客はあまりいないといい、出火元とみられる建物については「人が出入りしているのは見たことがない」と話した。
金沢駅では、運転見合わせを受けて改札前に長い列ができた。
櫛田哲平さん(34)は観光で富山県を訪れ、大阪へ帰る途中だった。明日は仕事のため、「大阪までバスで迂回(うかい)するか、いったん東京まで出て、新幹線で大阪に行くか、どうしようと思っている」と話した。
愛媛県から友人と金沢に観光で訪れていた女性(28)はSNSで火災を知り、駅に来ていた。やはり明日の朝から仕事のため、今日中に帰るために迂回路を探していた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル